浜名湖はイカ釣りの優良フィールドとして知られています。アオリイカとコウイカの両種が狙え、季節ごとに異なる攻略が必要です。
この完全ガイドでは、初心者からベテランまでが確実に釣果を上げるための知識を網羅しました。
浜名湖で狙えるイカの種類と特徴
アオリイカについて
アオリイカは浜名湖でも大型の個体が釣れる人気ターゲットです。体の色が変わりやすく、環境に合わせて銀白色や黒褐色に変化するのが特徴。
浜名湖では春に良型が接岸し、釣り人の注目を集めます。
- サイズ:春は小型(200~300g)、秋は良型(400~800g以上)
- 行動パターン:水平~中層を活動範囲とし、岩礁帯を好む
- 食性:小魚やエビを捕食
- 活動時間:夜間と朝夕マヅメが活発
コウイカについて
コウイカは底にベッタリと付く習性があり、砂地や泥地の浅場を活動範囲とします。アオリイカとは大きく異なるアプローチが必要です。
- サイズ:一般的に1~2kg程度
- 行動パターン:ボトム中心、移動距離が少ない
- 食性:底の小魚やエビを捕食
- 活動時間:昼間でも釣れやすい
浜名湖のアオリイカ|釣れやすい時期とサイズ傾向
季節別の釣期
| 時期 | 釣果レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 7~10月 | ★★★★★ 最盛期 | 最も釣りやすいが小型メイン |
| 5~6月 | ★★★☆☆ | 大型に期待できるが少なめ |
| 11月 | ★★☆☆☆ | 秋シーズンの終盤、個体数が減少 |
| 1~4月 | ★☆☆☆☆ | ほぼ期待できない。外洋へ移動 |
| 12月 | ★☆☆☆☆ | 冬季は極少数 |
春と秋のサイズ傾向
春(5~6月)
- 釣れるサイズ:400~800gの良型・大型に期待できる
- 食べごろサイズなので調理も楽しみに
秋(7~10月)
- 釣れるサイズ:中小型がメイン
- 数釣りに期待できる
浜名湖のコウイカ|釣れやすい時期と接岸タイミング
季節別の釣期
| 時期 | 釣果レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 5~9月 | ★★★★★ 最盛期 | 砂地の浅場に接岸、安定した釣果 |
| 10~11月 | ★★★☆☆ | 接岸数が減少するが、まだ狙える |
| 1~4月 | ★☆☆☆☆ | 深場へ移動、釣果期待できず |
| 12月 | ★☆☆☆☆ | 冬季は極少数 |
接岸タイミングの見極め方
コウイカは産卵の時期に浅場へ接岸します。5月に接岸が始まり、9月まで継続的に浅場で狙えます。水温が下がってくると深場へ移動するため、岸から狙うことはほぼ無理になります。
- 初夏(5月):大型個体が最初に接岸
- 盛夏(6~7月):最も数が期待できる時期
- 初秋(8~9月):まだ狙える
4. アオリイカとコウイカの釣り方の違い
アオリイカの特徴的な釣り方
アオリイカは「水平~中層」での活動が中心で、さらにダート(横方向への動き)にイカが反応します。
- 基本戦略:エギをシャクリ上げ、フォール時にアタリを待つ
- 層の探り方:浅い層から徐々に深くしていく
- 重要な動作:ダートアクションで存在をアピール
コウイカの特徴的な釣り方
コウイカは底にベッタリ付く習性があり、ボトム中心の探り方が必須です。
- 基本戦略:エギを着底させるか10~30cm浮かせて、ゆっくりズル引き&ステイ
- 層の探り方:常にボトム付近を意識
- 重要な動作:根掛かりを避けながらの慎重なズル引き
- ステイの重要性:数秒~10秒の止めが有効
5. アオリイカの釣り方とエギングタックル
5-1. 基本の狙い方
シャクリ&フォールの組み合わせ
アオリイカ釣りの基本は、エギを落とした後に上下のシャクリでアピールし、フォール中にアタリを待つサイクルです。
- キャスト後、狙いの層まで沈める
- ロッドを立てながらシャク(竿全体で1~1.5m程度の上下動)
- エギを沈ませる(フォール)=この時にアタリが出やすい
- 2~3を繰り返す
活動時間の有利性
- 夜間釣り:最も実績が高い。光量が少ないため、イカが積極的に補食
- 朝マヅメ:夜間から活動が続く。5時~7時が勝負
- 夕マヅメ:16時~18時。活動が活発化する時間帯
- 昼間:難しい。風が穏やかで濁りがある場合のみ
エギサイズの使い分け
| サイズ | 対象 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 2.5号 | 小型狙い、反応が悪い時 | 春シーズン、慎重な個体 |
| 3.0号 | 標準的なオール用途 | 通年、万能 |
| 3.5号 | 大型狙い、潮が速い時 | 秋シーズン、深場 |
5-2. タックル構成
エギングロッド:
- 長さ:8.3~8.6ft(竿全体で5段階のシャクリができることが重要)
- 硬さ:ML~M程度(感度と操作性のバランス)
- 目安:1,500~3,000円程度の入門用でも対応可
リール:
- サイズ:2500~3000番スピニング
- 糸巻き量:100m以上確保
- ギア比:5.0~5.5でOK
ライン構成:
- PEライン:0.6~0.8号(200m程度)
- フロロカーボンリーダー:2~2.5号(1mほど)
6. コウイカの釣り方とエギングタックル
6-1. 基本の狙い方
着底~ズル引きの操作
コウイカ釣りの基本は、エギを着底させることから始まります。その後の操作が重要です。
- キャストして底まで沈める(感度の良いラインなら底着底がわかる)
- 竿をゆっくり立てながらエギを引く(ズル引き)
- 1m~1.5m引いたら止める(ステイ)
- 竿を下ろしながら糸フケを回収
- 2~4を繰り返す
ステイ(止めの時間)の重要性
コウイカはアオリイカと異なり、止まったエギに反応します。
- 短いステイ(3~5秒):活性が高い時期
- 長いステイ(7~10秒):活性が低下している時期、確実な喰い込み待ち
- 極端な長時間ステイ:底を意識しながら20秒以上止めることもある
根掛かり回避のコツ
コウイカを狙う場合、底は岩や貝殻が多く、根掛かりのリスクが高いです。
- ズル引きは竿の上下で、常に最小限の力で引く
- 底に着いたまま動かないと感じたら、すぐに竿を立てて引く
- やや軟らかめのロッドを選ぶことで感度を高める
6-2. タックル構成
エギングロッド:
- 長さ:8.3~8.6ft
- 硬さ:M~MH程度(コウイカ用はやや硬め推奨)
- 理由:底の感度がより重要になるため
リール:
- サイズ:2500~3000番スピニング
- 設定:ドラグを少し弱めに(根掛かり時の糸切れ防止)
ライン構成:
- PEライン:0.8~1号(太めがおすすめ)
- フロロカーボンリーダー:2.5~3号(太めの設定)
- 理由:底の感度とパワーが必要
追加装備:
- シンカー:追加重り用(必要に応じて1~2号追加)
- 理由:潮が速い時や深場では必須
7. 浜名湖|アオリイカのおすすめポイント
新居弁天海釣公園
ポイントの特徴:
- 岩礁帯が点在し、イカの着き場所が豊富
- 岩礁帯は流れが比較的緩く、初心者でも扱いやすい
- 足場が良く、安全に釣行できる
- 駐車場やトイレなどの設備が充実している
攻略のコツ:
- 朝・夕マヅメの実績が高い
- 岩際を狙い、エギを自然に落とす
- 秋口(9月下旬~10月)が最盛期
おすすめは秋シーズン。小型ですが数釣りが期待できるので、初心者が経験を積むには最適です。根掛かりしないリフト&フォールを安定することができるようになったら、他地域の有名ポイントでも戦えます。

網干場(舞阪港)
ポイントの特徴:
- 複雑な岩礁帯が形成された野生的なポイント
- 大型個体が着くことで知られている
- アクセスは若干難あり
攻略のコツ:
- 夜間の釣行が有効
- 秋の実績が最も高い(9月下旬~10月)
- 玄人向けのポイント
おすすめは春シーズン。潮の影響を受けやすいため、重めのリグ設定にするのが重要。遠投してから広範囲を探るのがコツ。

8. 浜名湖|コウイカのおすすめポイント
砂揚げ場(浜名港)
ポイント特性:
- 砂地が広がり、コウイカの定着場所として最適
- 比較的浅場(2~4m)で狙える
- 数釣りが期待できる
水深があるので春~秋まで狙えるけど、数に期待はできない。”やりやすい”ことが最大のメリットで、タコを狙いながらコウイカにも期待するのがちょうどいい。

新居弁天海釣公園
ポイント特性:
- アオリイカ同様、コウイカも狙える
- 砂泥混在の底質
- 潮流があるのでウェイトを重めに
T字堤から投げる必要があるので、潮止まり前後が理想。人が居なければ、上流側に投げて着底させて、自然に流れるドリフトで狙うのもアリ。

網干場(舞阪港)
ポイント特性:
- 砂底が広がり、実績が高い
- タコとコウイカの両立が可能
夏~秋に期待できる。とにかくぶん投げれるほど有利なポイントだが、潮流も早いので潮のタイミングを読むことが重要。

ボートレース浜名湖(浜名湖競艇場)
ポイント特性:
- 深めの砂地(3~5m)
- 大型コウイカが期待できる
- ボート利用推奨
夏からはタコ狙いの”ついで”でコウイカがあがる。冬に近づくほど、投げでカレイ狙いが増えてライバルが減るため、数釣りできることも。

村櫛漁港(むらくしぎょこう)
ポイント特性:
- 底質がコウイカ向きで実績が多い
- 港内の浅場から深場まで変化に富む
- アクセスが比較的容易
今切口より潮流は緩いから初心者でもやりやすい。基本的に堤防外側の航路狙いになるが、堤防が高いのでランディング時の身切れに注意。

紹介したポイント以外にもコウイカは居ます
コウイカは砂地で深い場所を好みます。そのため浜名湖の沿岸部よりも、中心部かつ水深があるエリアにいるため、岸からの釣りは不利だったりします。
しかし、ボート釣りならほぼ年中狙うこともできます。
岸からも水深5mエリアが射程内に入るポイントもあるので、秋で水温が下がってきた頃に、深場があるポイントで狙ってみるのもアリでしょう。

9. アオリイカ・コウイカ別|エギの選び方
色選択の基準
ナチュラルカラー
- 使用場面:澄んだ水、昼間の釣り
- 代表色:白、オレンジ系
- 効果:自然な見た目で、スレた個体にも有効
グロー(夜光)カラー
- 使用場面:夜釣り、濁りが強い時
- 代表色:ピンク、黄色系
- 効果:光量が少ない状況でのアピール力抜群
パープル系(赤紫)
- 使用場面:朝夕マヅメ、光量が落ちている時
- 代表色:紫、赤紫
- 効果:イカが反応しやすい波長とされている
サイズ選択の基準
| サイズ | 対象魚 | 使い分け |
|---|---|---|
| 2.5号 | アオリイカ小型、活性低い時 | 反応が鈍い場面 |
| 3.0号 | アオリイカ標準、コウイカ標準 | オール用途、最も万能 |
| 3.5号 | アオリイカ大型、潮が速い | 秋季、深場、潮が速い |
コウイカ向け追加シンカー活用法
コウイカはタコ用エギで狙えますが、浜名湖のポイントは(特に表浜名湖)潮が速いところが多いので、市販のエギではウェイトが足りない問題があります。
物によってはエギ本体に追加でシンカーを装着できますけど、強い流れでボトムべったりは厳しい……。でも、近距離を丁寧に探る選択ならアリです。
- 1号シンカー:軽めの状態、浅場で十分
- 2号シンカー:標準的な追加重り
- 結び方:エギの上部ラインに直結、または中通しシンカーを利用
網干場やT字堤など、潮流がありつつ広範囲を探りたいポイントでは、胴付き仕掛けにエギ(ノーシンカーのスッテ)をつけたリグがおすすめです。
仕掛けは市販もされていますが、自作するのも簡単です。まずは見本として市販品を参考にするのがいいでしょう。下につけるオモリは、ナス型の20号とかを使えるようになりますが、ふつうのエギングタックルだとウェイトオーバーするので、シーバスや青物向けのジギングロッドがおすすめです。
10. 浜名湖でイカを狙う際の注意点
今切口(いまぎれぐち)付近のボート停泊禁止
新居弁天海釣公園や網干場では、ボートでコウイカ狙いをしたくなります。
ですが、プレジャーボートなどでのボート釣りは禁止されている区域のため、絶好のポイントでも釣りをすることができません。
足場の高い堤防での安全対策
多くのイカ釣りポイントは足場が高い堤防です。落水のリスクがあります。
- ライフジャケット着用:必須アイテム
- スパイク付き靴:防滑加工で滑り防止
- 懐中電灯:夜釣り時の視認性確保
- 一人釣行の回避:可能な限りグループ釣行を
今切口の堤防は立入禁止区域でもありますし、漁港の堤防も内外で禁止されている所もあります。釣りの前に注意書きの看板があるかどうかをよく確認してください。
漁具(アサリ養殖網)への接触禁止
浜名湖内には多くのアサリ養殖網があります。これらに接触や損傷を与えてはいけません。
- 区域表示を確認し、施設内への進入は厳禁
- 釣り糸が引っかかった場合の対処:決して無理に引っ張らない
11. まとめ|浜名湖のイカ釣りを効率よく楽しむコツ
アオリイカ攻略の要点
- タイミング:7~10月、特に9月下旬~10月が最盛期
- 時間帯:夜釣り、朝夕マヅメ
- ポイント:新居弁天海釣公園、網干場
- 基本戦術:「シャク&フォール」で中層を探る
- タックル:標準的な8.3~8.6ftロッド + 0.6~0.8号PE
コウイカ攻略の要点
- タイミング:5~9月、初夏(5~6月)と盛夏(6~7月)が特に実績高
- 時間帯:昼間でも釣れやすい(活性が高ければ24時間OK)
- ポイント:砂揚げ場、村櫛漁港、ボートレース浜名湖周辺
- 基本戦術:「ボトム探索」&「ゆっくりズル引き&ステイ」
- タックル:やや硬めロッド + 0.8~1号PE + 太めリーダー
季節別の効率的なアプローチ
春(5~6月)
- アオリイカ小型狙い、多数釣り期待
- コウイカ最初の接岸時期、大型チャンス
初夏~盛夏(6~8月)
- コウイカ最高潮、数釣りが期待できる
秋(9~10月)
- アオリイカ本番、良型との遭遇率が高い
- 月末に向けて大型率がアップ
冬(11月~4月)
- イカ釣りのオフシーズン
- 浜名湖内では極少数
浜名湖でのイカ釣りは、両種の特性を理解し、季節に応じたアプローチを心がけることが成功の鍵です。本ガイドを参考に、浜名湖でのイカ釣りを思いっきり楽しんでください!

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