浜名湖で釣ったアオリイカとコウイカ。どちらも最高級の食材ですが、その味わいには明確な違いがあります。
アオリイカは「イカの王様」にふさわしい透き通った上品な甘み。コウイカはねっとりとした食感と濃厚な旨みが特徴です。
私(さしし)が初めてアオリイカの刺身を食べた時、「スーパーで売っているイカと全くの別物だ」と思いました。釣りたての甘みと食感は、お金を出しても買えない釣り人だけの特権です。
それぞれの素材を活かす最高の調理法を紹介します。
アオリイカとコウイカの味の違い
アオリイカの特徴
アオリイカは透明感のある白い身が特徴で、刺身にすると強い甘みとコリコリした食感が楽しめます。
一晩冷蔵庫で寝かせると、アミノ酸が増加してさらに旨みが深まり、ねっとりした食感に変化します。
お刺身はもちろん、天ぷらにするとフワッとした軽い食感になります。
コウイカの特徴
コウイカ(スミイカ)は体型がずんぐりしており、胴体に石灰質の甲(コウイカ骨)があります。
アオリイカに比べて身が厚く硬めで、加熱調理に非常に向いています。
大量の墨を持つことから「墨イカ」とも呼ばれ、その墨を使った料理は絶品です。
失敗しない!イカの基本下処理
アオリイカの下処理
- 胴体と足を分ける:胴体の中に指を入れ、背骨(薄透明のペン形の軟甲)に沿って指を滑らせながら、内臓ごと足(ゲソ)を引き抜きます。
- 皮を剥ぐ:外側の粗い皮(紫・茶色)を剥がし、その下の薄膜まで取ると食感が劇的に良くなります。ペーパータオルを使うと滑らずに簡単に剥がせます。
- カラス口(くちばし)と目玉を取る:足の付け根にある固い部分と、中心にある目玉を丁寧に取り除きます。
- 冷水で洗う:胴体・足を流水で丁寧に洗い、水気を取ります。
コウイカの下処理
- 甲(コウイカ骨)を取り出す:胴体の背側に沿って指を入れ、白い石灰質の甲を引き出します。
- 内臓を取り出す:甲を取った後、内臓(特に大きな墨袋に注意しながら)を引き出します。墨袋を破らないよう丁寧に扱ってください。
- 皮を剥ぐ:アオリイカと同様に皮を剥きます。
- ヒレ(耳)の活用:コウイカのヒレは刺身にしても、バター炒めにしても美味しいです。取り除かずに活用しましょう。
アオリイカの絶品レシピ集
1. 究極の甘み「アオリイカの薄造り」
捌いた当日は「コリコリ感」、一晩寝かせると「ねっとりした甘み」が楽しめます。
材料:アオリイカ(胴体)、わさび、醤油(または塩・レモン)
作り方:
- 皮を完全に剥いた胴体を、筒状のまま5〜7mm幅に切ります(輪切り)。または縦に開いて斜めに薄く引き切ります。
- 隠し包丁:身の表面に2mm間隔で浅い切り込み(格子状)を入れます。こうすることで醤油の絡みが良くなり、甘みを強く感じます。
- 最高の食べ方:まずは塩とレモンだけで。イカ本来の甘みがダイレクトに伝わります。次に薄口醤油とわさびで。
保存のコツ: 食べきれない分は、一晩キッチンペーパーで包んで冷蔵庫に入れると、翌日に旨みが増して別の美味しさが楽しめます。
2. 春の親イカ限定「アオリイカの天ぷら」
春の大型親イカ(500g以上)は天ぷらにすると、フワッとした食感が最高です。
作り方:
- 胴体を筒のままで3〜4cm幅に切ります。足は2〜3本まとめて同じ長さに切ります。
- 薄く片栗粉をまぶしてから天ぷら衣をつけ、180℃の油で2〜3分揚げます。
- 揚げすぎると硬くなるので、衣が固まったらすぐに引き上げるのがコツです。
3. 贅沢!「アオリイカの明太マヨ和え」
ゲソや端切れを使った、おつまみに最高の一品です。
ゲソを湯通ししてから食べやすく切り、明太マヨ(明太子+マヨネーズ)で和えます。お好みで刻みネギを散らして完成です。
コウイカの絶品レシピ集
1. 酒の肴に最高「コウイカのゲソ・バター醤油炒め」
コウイカのゲソ(足)は、アオリイカよりも身が締まっていて加熱調理に非常に向いています。
材料:コウイカのゲソ、バター 15g、醤油 大さじ1、にんにく 1片、パセリ(あれば)
作り方:
- ゲソを一口大に切り、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
- フライパンにバターとにんにくを熱し、強火でゲソをサッと炒めます。
- 仕上げに醤油を回し入れ、全体に絡めます。
- お好みで七味唐辛子を振れば、最高の晩酌のお供になります。
2. 濃厚!「イカ墨リゾット・墨パスタ」
コウイカが持つ大量の墨は、最高の調味料です。捨ててはいけません。
墨袋の取り出し:内臓の中にある銀色の袋(墨袋)を、破らないように優しく取り出します。
墨パスタの作り方:
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、刻んだ玉ねぎを炒めます。
- コウイカの胴体(細切り)を加えて炒めます。
- 白ワインを入れてアルコールを飛ばし、墨袋を潰して加えます。
- 塩で味を調え、茹でたパスタを和えて完成。
イカの旨みが溶け込んだ墨の色が、食欲をそそる一品です。
イカを丸ごと使い切るコツ
| 部位 | 最適な調理法 |
|---|---|
| 胴体(アオリイカ) | 薄造り・天ぷら・イカリング |
| 胴体(コウイカ) | 刺身・バター炒め・墨料理 |
| ヒレ(ミミ) | 刺身・バター炒め |
| ゲソ(足) | 唐揚げ・バター炒め・なめろう |
| 墨(コウイカのみ) | 墨パスタ・墨リゾット |
一匹のイカで複数の料理が楽しめるのが、エギングの大きな喜びです。
まとめ:部位ごとに楽しみ尽くす
胴体はお刺身、ヒレはバター炒め、ゲソは唐揚げ。一杯のイカで何種類もの料理が作れるのがエギングの素晴らしいところです。
秋の新子(9〜11月)は旨みが凝縮されて特に美味しく、春の親イカ(4〜6月)は大型でボリュームがあります。それぞれのシーズンに異なる美味しさが楽しめます。
Tip
「冷凍」すると甘くなる!? 食べきれない分は、下処理をして水分を抜き、ぴっちりラップをして冷凍しましょう。 解凍される際にイカの細胞が壊れ、アミノ酸が増えて甘みがより一層増すという嬉しい効果があります。 冷凍アオリイカの解凍刺身は、新鮮な刺身とはまた違った甘みが楽しめます。
