浜名湖で釣りを始めるなら、まずは「ハゼ釣り」が一番おすすめです。
難しい技術は必要ありません。エサを落とせばすぐに魚からの反応(アタリ)が返ってくる楽しさは、ハゼ釣りならではの魅力です。
私(さしし)も子どもの頃に最初に釣った魚はハゼでした。あのときの「プルプルッ」というアタリは今でも鮮明に覚えています。
浜名湖のハゼ釣り:なぜ「聖地」と呼ばれるのか?
浜名湖は日本でも有数のハゼのストック量を誇ります。
河口部の豊かな砂泥底と、豊富なプランクトンが育む汽水環境が、ハゼの成長に最適な条件を作り出しています。
初心者でも数釣りが楽しみやすく、秋の最盛期には「1日で100匹以上(束釣り)」という釣果も珍しくありません。
地元では毎年秋になると多くの家族連れがハゼ釣りに出かける、浜名湖の風物詩になっています。
いつ釣れる?ハゼのシーズンカレンダー
ハゼは夏から秋(6月ごろ〜11月)が主なシーズンです。
| 月 | 釣果の目安 |
|---|---|
| 6月 | ○ 出来ハゼが接岸し始める。小型中心 |
| 7〜8月 | ◎ 浅場で数釣り。小型が中心だが数は出る |
| 9〜10月 | ◎◎ 最盛期。型が揃い「束釣り」も可能 |
| 11月 | ◎ 「落ちハゼ」シーズン。型が大きくなる |
| 12月〜5月 | △〜✕ 深場へ移動。難しくなる |
月ごとの水温やサイズ、ポイント別の駐車場は、記事末尾でも紹介している教科書記事の早見表にまとめています。
特に10月〜11月の「落ちハゼ」シーズンは、ハゼが深場へ移動する前に大型個体が数釣りできる、ベテランも興奮する時期です。
釣れる時間帯
ハゼは日中でも積極的にエサを追いますが、朝の早い時間帯(日の出〜9時ごろ)が最もアタリが多い傾向があります。
気温が高い真夏は、涼しい朝に釣行するのが体力的にも快適です。
曇りの日は日中でも食いが続くことがあります。
初心者に最適な2つの釣り方
まずはこのどちらかのスタイルで始めてみましょう。
1. ウキ釣り(足元を狙う)
浮いている「ウキ」がピコピコ動くのを楽しむ、最もシンプルな方法です。
アタリが目に見えてわかるので、子どもに大人気です。
ハゼは底にいます。ウキの深さを調整して、エサが底スレスレにつくようにするのがコツです。
2. ちょい投げ釣り(少し遠くを狙う)
リール竿を使って、20mくらい仕掛けを投げる方法です。
足元にいない時でも、沖に潜むハゼを広く探れます。
投げて着底したら、ゆっくりと糸を巻いて「砂煙」を立てるイメージで動かすと、ハゼが寄ってきます。
準備する道具(タックル)
ウキ釣りの場合
- のべ竿(2〜3m):餌を足元に落とすだけなので、リールは不要です。
- ウキ仕掛け:市販の「ハゼウキ釣りセット」が初心者に便利です。
- 針:ハゼ針は4〜7号の範囲(小型の多い初期は4〜5号、型が良くなったら6〜7号)。キス針6号でも代用できます。
ちょい投げの場合
- ロッド:2m前後の万能竿またはコンパクトロッド。
- リール:2000〜2500番のスピニングリール。
- 仕掛け:市販の「ハゼちょい投げセット」がそのまま使えます。オモリは3〜5号が扱いやすいです。
エサ:石ゴカイ(赤虫)が一択
ハゼ釣りのエサは石ゴカイ(赤虫)が定番です。
小さく動き続ける赤いゴカイは、ハゼの捕食本能を強く刺激します。
釣具店で100〜200円程度から購入でき、保存も容易です。
エサの付け方のコツは「小さくカットする」ことです。ハゼの口は小さいため、1〜2cm程度に切って使うと針がかりが良くなります。
Tip
エサの「たらし」は1cm以内! エサを長く付けすぎると、端っこだけ取られて針にかかりません。 針から1cmほどはみ出るくらいに短くカットしましょう。
釣り方の手順
ウキ釣りの手順
- 深さを設定する:ウキ下(ウキから針までの長さ)を水深に合わせます。底にエサが触れる深さが理想です。
- 仕掛けを落とす:足元に静かに仕掛けを落とします。
- ウキを見る:ウキが動いたらアタリのサインです。
- 合わせる:2〜3秒待ってから、静かに竿を上げて合わせます。
ちょい投げの手順
- 投げる:20mほど前方に仕掛けを投げます。
- 着底確認:糸がたるんだら底に着いたサインです。
- ゆっくり引く:リールを半回転〜1回転ずつゆっくり巻きます。砂煙を立てながら引くのがコツです。
- 止める:数回巻いたら3秒ほど止めます。止めた瞬間にアタリが出ることが多いです。
釣果を伸ばす3つの極意
1. 「誘い」を入れる
置きっぱなしにしていては、ハゼに気づいてもらえません。
1分に一度は仕掛けを小さく上下させて、ハゼにアピールしてください。
底をトントンと軽く叩くような動かし方が効果的です。
2. アタリがあっても「一呼吸」待つ
「プルプルッ」と来ても、すぐに竿を立ててはいけません。
2〜3秒待ってから、ゆっくり竿を上げるとしっかり針がかりします。
急いで合わせると針がかりが浅くなり、ハゼが外れてしまいます。
3. 場所を変えながら探る
同じ場所でアタリが止まったら、少し移動してみましょう。
浜名湖のハゼは広い範囲に分散しているため、アタリが続く「鉄板スポット」を探しながら釣るのが数釣りの基本です。
おすすめポイント
浜名湖の河口部・汽水域が主なフィールドです。
都田川河口(奥浜名湖)
足場が平らで非常に広く、ハゼ釣りの「聖地」として有名です。
砂泥底の浅瀬が続き、夏〜秋は非常に高密度でハゼが群れています。
新川周辺(中浜名湖)
駐車場やトイレが近く、家族連れに最適なエリアです。
釣り場ガイドで詳細な場所を確認してから出かけましょう。

各ポイントの駐車場・トイレなどの詳細情報は、こちらでチェックできます。
釣ったハゼを食べよう!下処理とおいしい食べ方
ハゼは「天ぷらの王様」とも呼ばれるほど、上品な白身とふわふわの食感が魅力の魚です。
私(さしし)が初めてハゼを大量に釣った日、家族で一緒に天ぷらを揚げながら食べた時のこと。「こんなに美味しい魚がその辺で釣れるのか!」と家族全員が驚いた記憶があります。釣り人だけが味わえる、最高に美味しい食べ方を紹介します。
なぜ浜名湖のハゼは美味しいのか
浜名湖のハゼが特別に美味しい理由は、汽水(海水と淡水が混じる)環境にあります。塩分濃度が適度に保たれた汽水域で育ったハゼは、海水魚のような引き締まった身と、淡水魚の柔らかさを兼ね備えています。
また、都田川や新川の河口部に豊富に生息するアミエビ・多毛類を主食としているため、身のうまみ成分が豊富です。特に10〜11月の「落ちハゼ」シーズンは、産卵前に栄養を蓄えた大型個体が多く、身に脂が乗って最高の食べ頃になります。
持ち帰り方(鮮度が命)
釣ったハゼは、クーラーボックスに氷と少量の海水を入れた「潮氷」で冷やして持ち帰ります。温かいビニール袋や水だけのバケツで長時間置くと、急速に鮮度が落ちます。
帰宅後はできるだけ早く調理するか、内臓を取り除いてからラップに包んで冷蔵庫で保存しましょう(当日〜翌日中に使用)。
ヌメリと泥臭さを取る方法
ハゼは皮にヌメリがあり、これが泥臭さの主な原因です。調理前に塩もみ(ボウルに塩大さじ1とハゼを入れ、全体をよく揉む)をしてから流水で洗い流すと、ヌメリが取れて臭みが大幅に減ります。
どうしても臭みが気になる場合は、下処理後の身を牛乳に5分ほど浸すとさらに効果的です。牛乳のタンパク質が臭み成分を吸着してくれます。
背開き(天ぷら用の基本の捌き方)
- ウロコ・ヌメリを取る:塩もみ後、流水でよく洗います
- 頭と内臓を落とす:ハサミを使うと簡単で安全です。小型のハゼならハサミ一本で処理できます
- 背中から開く:背骨に沿って包丁を入れ、腹まで貫通しないようにパカッと開きます。慣れれば1匹10秒でできます
- 背骨を取る:天ぷら用には背骨を残してもOKですが、骨を取ると食べやすくなります
小型(10cm以下)のハゼは、丸のままでも天ぷらにできます。
1. ふわふわサクサク!「ハゼの天ぷら」
これを食べるためにハゼを釣ると言っても過言ではない、ハゼ料理の王様です。
材料(4人分):ハゼ 20〜30匹、薄力粉 適量、天ぷら衣(薄力粉100g・片栗粉25g・冷水150ml・卵1個)、揚げ油
作り方:
- 衣を作る:冷水と卵を混ぜてから薄力粉・片栗粉を加え、さっくりと混ぜます。混ぜすぎると粘りが出てサクサク感が失われます。氷を一個入れて冷やすとなお良いです
- ハゼに粉をまぶす:背開きにしたハゼに薄く小麦粉をまぶします。余分な粉は軽くはたきます
- 高温で素早く揚げる:180〜190℃の油に入れ、衣が固まったら返して30秒ほどで引き上げます。揚げすぎると硬くなるので注意
- 盛り付け:天つゆと大根おろし、または塩で食べます
揚げたてをすぐ食べることが最大のコツです。時間が経つとサクサク感が失われます。
2. 数が多い時の救世主「ハゼの甘露煮」
釣りすぎた時や、保存食として最高のレシピです。
材料:ハゼ 30匹以上、醤油・みりん・砂糖・酒 各大さじ3、水 100ml
作り方:
- 素焼き:フライパンで油なしでハゼを両面焼きます。水分が飛んで香ばしくなり、身崩れしにくくなります
- 煮込む:素焼きしたハゼを調味料と水に入れ、落とし蓋をして弱火で20〜30分煮込みます
- 照りを出す:最後に火を強めて汁を絡ませます
冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1ヶ月保存できます。お正月のおせち料理にも最適です。
3. 小型ハゼに最適「丸揚げ唐揚げ」
10cm以下の小型ハゼは、下処理なしで丸揚げにできます。
- 流水で洗って水気を切ります
- 片栗粉を全体にまぶします
- 160℃の油でじっくり揚げてから、190℃に上げて2度揚げにします
- 骨までポリポリ食べられる仕上がりになります
塩・レモン・青のり・七味唐辛子など、お好みの味付けでどうぞ。
4. 上品な味わい「ハゼの塩焼き」
大型(15cm以上)のハゼは、シンプルな塩焼きも絶品です。ウロコと内臓を取り、両面に塩を振って10〜15分置いてから魚焼きグリルで焼きます。皮が香ばしく焼けて、白身の上品な甘みが際立ちます。
浜名湖の保存食:「ハゼの焼き干し」
浜名湖周辺に古くから伝わる伝統的な保存食です。たくさん釣れた時期に作っておくと、冬のお雑煮や味噌汁の出汁として最高の味わいになります。
- ハゼを丸のまま(または頭・内臓を取って)、素焼きします
- 素焼きにしたハゼを日当たりの良い場所で2〜3日干します(冬の乾燥した季節が最適)
- 完全に乾燥したら密封袋に入れて冷暗所で保存します。数ヶ月保存可能です
出汁として使う際は、焼き干しをお湯に30分ほど浸してから弱火で煮だします。透き通った黄金色の出汁は、いつもの味噌汁を一段上の料理に変えてくれます。
ハゼ料理のQ&A
Q. ハゼは何日保存できますか?生の状態では当日〜翌日が限度です。内臓を取り除いて冷蔵保存すれば2日間は品質が保てます。冷凍保存(内臓を取り除き、ラップで密封)なら1ヶ月程度保存可能です。
Q. ウロコは必ず取る必要がありますか?天ぷらや塩焼きでは必ず取りましょう。口当たりが悪くなります。唐揚げ(丸揚げ)では、揚げることでウロコが一緒に揚がるため、取らなくても食べられます。
Q. 小型のハゼは食べられますか?10cm以下の小型ハゼでも美味しく食べられます。丸揚げや骨せんべいにすると、骨まで全部食べられるため無駄がありません。ただし、釣り場では10cm以下の小型はリリースすることをおすすめします。
Tip
泥臭さをゼロにする魔法の「牛乳」 どうしてもハゼ特有の泥臭さが気になる場合は、下処理が終わった身を「牛乳」に5分ほど浸してみてください。 臭みが驚くほど取れ、身もふっくらします。特に夏場の小型ハゼに効果的です。
まとめ:釣って楽しい、食べて幸せ。それがハゼ釣り!
ハゼ釣りは、誰でも笑顔になれる「釣りの原点」です。
仕掛けを落とすとすぐアタリが来て、次々と釣れる快感は釣り歴20年以上の私でも飽きることがありません。そして自分の手で仕留めたハゼが、黄金色の天ぷらになって食卓に並ぶ瞬間。最初の一口の「ふわっサクッ!」という感触と、ハゼ特有の上品な甘みは、スーパーの天ぷらとは全く別物です。
6月ごろ〜11月が主なシーズンです。特に10〜11月の落ちハゼシーズンは、大型が狙えて食べても最高においしい最高の季節になります。
暖かい週末に、ぜひ家族で浜名湖へ出かけてみてください。
次のステップは、教科書記事で時期・ポイント・仕掛けを深掘りするか、ルアーで釣る「ハゼクラ」に挑戦してみてください。

