浜名湖の奥へ進むほど、景色は穏やかになり、旅の密度は上がります。
舘山寺温泉のロープウェイ、佐久米駅のユリカモメ、三ヶ日みかんの直売所、気賀のプリンス岬——奥浜名湖は、釣りと観光とグルメを一度に欲張れる、浜名湖随一の「旅気分」エリアです。
この記事では、舘山寺・三ヶ日・気賀・猪鼻湖の4エリアを網羅した奥浜名湖の釣り旅プランを、移動手段別に提案します。
奥浜名湖とはどんなエリアか
奥浜名湖は、浜名湖の北〜北西エリアに広がる穏やかな水域です。
外海からの波の影響が少なく、水面は終日なだらかです。延べ竿での小物釣りやファミリーフィッシングに向いた足場が多く、初心者でも安心して楽しめます。一方、都田川河口や猪鼻湖の深場ではクロダイや大型シーバスの実績も高く、上級者の通い詰めるポイントも揃っています。
観光・グルメの面では、舘山寺温泉・三ヶ日みかん・うなぎ料理が三本柱です。釣れても釣れなくても「来てよかった」と思える要素が揃っているのが、奥浜名湖エリアの強みです。
舘山寺エリア:温泉と「釣り散歩」の聖地
歴史ある名刹「舘山寺(かんざんじ)」とその周辺に広がる温泉街は、浜名湖観光の定番スポットです。
ロープウェイや遊園地「パルパル」で賑わうこのエリアですが、一歩、湖畔の遊歩道に踏み出せば、そこには穏やかな時間が流れる最高の「釣り散歩」コースが広がっています。
内浦湾の小物釣り
舘山寺周辺の護岸(内浦湾)は、水深が比較的浅く、波も穏やかです。リールを使わない「延べ竿」での小物釣りに非常に向いています。
春(3〜5月)は越冬ハゼと乗っ込みチンタ(クロダイ幼魚)が護岸沿いに集まり、夕まずめにはメバルが足元の石積みから飛び出します。秋(9〜11月)はハゼが最盛期を迎え、小型クロダイも数釣りできます。冬はメバル・カサゴのライトゲームが定番です。
舘山寺エリアは観光客も多いため、キャスト(遠投)は控え、足元を狙う落とし込みスタイルがマナーです。
おすすめ釣り散歩ルート
舘山寺の門前通りからスタートし、湖畔を一周するコースです。
- 舘山寺 門前通り: 温泉街の情緒を楽しみながら湖畔へ。
- サンビーチ周辺: 白砂の浜辺が広がるエリア。春の陽光を浴びながらのんびり。
- 舘山(たてやま)散策路: 志ぶき橋(赤い橋)の周辺は、絶好の小物釣りポイントです。
釣りだけじゃない!舘山寺の観光スポット
湖畔沿いには無料で利用できる足湯があります。釣りと散歩で少し疲れた足を癒しながら、対岸の山々を眺める時間は格別です。
舘山寺は浜名湖でも有数のうなぎの名店が集まるエリアでもあります。香ばしい匂いに包まれながら、どのお店に入ろうか迷うのも旅の醍醐味です。ロープウェイで弁天島へ渡り、湖上からの眺めを楽しんでから竿を出すのが、舘山寺釣り旅の定番コースです。

三ヶ日・猪鼻湖エリア:みかんと静かな湖畔の釣り旅
浜名湖の最奥部、猪鼻湖(いのはなこ)を抱く三ヶ日エリアは、奥浜名湖の中でも特に「旅色」の濃いゾーンです。
天竜浜名湖鉄道・佐久米駅のホームは、冬から春にかけてユリカモメが飛来することで知られる絶景スポットです。列車のホームに鳥が群れる光景は全国でも珍しく、釣行前後の立ち寄りスポットとして定着しています。佐久米駅から徒歩3分の佐久米海岸は、ハゼ・クロダイが狙える手軽なポイントです。
三ヶ日みかんの収穫期(11〜12月)と秋の釣りハイシーズンが重なるため、釣り×みかん直売所の立ち寄りが最も充実する時期でもあります。収穫期の青島みかんは、釣り帰りのお土産として外せません。



気賀エリア:プリンス岬と都田川の釣り旅
気賀は、江戸時代の関所跡が残る歴史的なエリアです。
NHK大河ドラマのロケ地にもなった気賀プリンス岬周辺は、護岸からチヌ・シーバスが狙える実績ポイントでもあります。釣りをしながら歴史の雰囲気を感じられる、奥浜名湖らしい楽しみ方です。
都田川河口は、奥浜名湖エリアでシーバスの実績が特に高い場所です。川と湖が交わる複雑な流れが大型魚を呼び込み、天浜線の気賀駅から徒歩圏内という利便性も魅力です。


アクセスと移動手段別プラン
奥浜名湖へのアクセスは車と天竜浜名湖鉄道(天浜線)の2択です。目的に合わせて使い分けてください。
| 目的 | 推奨エリア | 移動手段 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 温泉1泊+釣り散歩 | 舘山寺 | 車 or 遠鉄バス | 荷物が多い温泉旅行には車が便利 |
| みかん×釣りデイトリップ | 三ヶ日・佐久米 | 天浜線 | 佐久米駅徒歩3分で即入釣 |
| 大型シーバス本気釣行 | 都田川・気賀 | 天浜線 or 車 | 気賀駅徒歩圏内でタックルを持ち込める |
| ファミリー日帰り | 三ヶ日駅周辺 | 天浜線 | 荷物を最小限にすれば電車が快適 |
車でのアクセス: 舘山寺エリアは東名高速「舘山寺スマートIC」から約5分。気賀・三ヶ日方面は三ヶ日ICから国道362号を利用。
天浜線でのアクセス: JR浜松駅から遠鉄バスで新浜松駅へ移動後、天浜線に乗り換えます。佐久米駅・気賀駅・三ヶ日駅が奥浜名湖の主要アクセス駅です。電車釣行の詳細は専用ガイドをご確認ください。

宿泊と温泉:釣り旅を1泊に格上げする
奥浜名湖は、1泊することで一気に旅の密度が上がります。
舘山寺温泉の宿は釣り後の疲れをリセットするのに最高の環境です。釣具の保管スペースや洗い場を備えた宿も多く、翌朝の早朝釣行まで含めたプランを組めます。前日夜に到着して温泉に浸かり、早朝4〜5時から舘山寺護岸で延べ竿を出す——このスタイルが奥浜名湖の「正解プラン」です。
まとめ
- 舘山寺は温泉×延べ竿釣り散歩の最高パッケージ——1泊推奨
- 三ヶ日・佐久米は天浜線で電車釣行ができる奥浜名湖の穴場
- 気賀・都田川は大型シーバスの実績エリア——天浜線気賀駅から徒歩圏
- 11〜12月は三ヶ日みかん×秋の釣りハイシーズンが重なり最も充実
- 冬のユリカモメ観賞(佐久米駅)→釣り→温泉の三点セットが奥浜名湖の冬定番
- 釣れなくても、うなぎとみかんと温泉で完全リカバリーできる
奥浜名湖は、釣果がゼロでも「旅として成立する」エリアです。
温泉・みかん・うなぎ・ロープウェイ——竿を持っていくことがむしろ「ついで」に感じられるくらい、旅コンテンツが豊富です。次の釣り旅の目的地に、ぜひ奥浜名湖を加えてみてください。