「釣!浜名湖」へようこそ!
今回ご紹介するのは、奥浜名湖の穏やかな入江に優雅に突き出た、歴史とロマンが交差する聖地 「気賀(きが)・プリンス岬(五味半島)」 です。
この場所は、かつて上皇ご夫妻(当時は皇太子ご夫妻)が何度も静養に訪れたことから「プリンス岬」という愛称で親しまれるようになりました。
NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のロケ地にも選ばれたほど、その景観は美しく、どこか気品が漂います。
しかし、多くのアングラーにとってここは、「奥浜名湖で最も確実なハゼ釣りの避難港」であり、夏の「チヌトップゲーム」の熱い戦場でもあります。
まるで時間が止まったかのような静寂の中で、鏡のような湖面に糸を垂らす。そんな贅沢な大人から、歓声を上げる子供たちまでを優しく包み込んでくれる、プリンス岬の魅力を解き明かします。
ポイント概要:歴史と自然が織りなす「箱庭」のような釣り場
プリンス岬(正式名称:五味半島)は、浜松市浜名区細江町気賀の最深部、細江引佐エリアにあります。
駐車場
五味半島の付け根付近、向山(むかいやま)周辺にわずかな駐車スペースがありますが、台数は極めて限定的です。
周辺は道が狭く、農作業車両や近隣住民の生活道路となっているため、路上駐車は絶対に厳禁です。
満車の場合は潔く諦め、都田川河口や伊奈(いな)方面へ移動するのがマナーです。
トイレ・コンビニ
トイレは整備されています。
国道257号沿いの セブン−イレブン 細江気賀店 が便利で、気賀エリアの最終補給地点となります。
車で5分の 「気賀関所」や「細江神社」 での歴史散策、ご当地グルメの「うな重」を堪能するプランも、プリンス岬ならではの優雅な過ごし方です。
近くの釣具店
植むら釣具店(気賀・車で約7分)
- 営業時間: 6:00〜19:00(曜日で変わる)
- 奥浜名湖特有の「水温上昇時の魚の動き」や「ハゼのサイズ感」などは、釣行前にここでお聞きするのが一番の近道です。地域密着の最強情報源として頼りになります。
水中構造とポイント:天然の「マザー・レイク」
プリンス岬が西側にグイッと突き出しているおかげで、その内側の「気賀湾」は、外海や本湖がどれほど荒れていても常に穏やかな 「超静水域」 となっています。
鏡のような水面と広大な砂泥底
- 水中地形 :底質は非常にきめ細かい「シルト(泥)」と「砂」が混じり合っています。波が立ちにくいため、繊細なウキの動きを読み取る 「ウキ釣り」には最高の条件が整っています。
- エサの宝庫:泥底には 「テッポウエビ」や「ボケ」 、さらにはハゼの大好物である多毛類が豊富。まさに魚たちの巨大なレストランです。
水際の「アシ原」とブレイク(かけ上がり)
岸辺には豊かな「アシ(ヨシ)」が群生しており、その複雑な根元は小魚やテナガエビのシェルター(隠れ家)になっています。
- 攻略の鍵:足元から数メートル先には、目に見えないものの確実な ブレイクライン が存在します。ハゼはこの「わずかな深み」に沿って回遊するため、チョイ投げで遠投するよりも、足元から5〜10m付近を丁寧に探る方が釣果が伸びます。
気賀・プリンス岬のメインターゲットと季節の戦法
夏〜秋:ハゼ釣り「プリンス岬の真骨頂」
10cmから、晩秋には15cmを超える立派な「落ちハゼ」まで狙えるポイントです。
- のべ竿(ウキ釣り):3.6〜4.5mののべ竿 が最適。仕掛けは「玉ウキ」よりも「立ちウキ」の方がアタリが見やすく、感度も高まります。
- エサの選択:「赤イソメ(ゴールドイソメ)」 が圧倒的に強いです。5mm〜1cm程度に切り、ハリ先を少し出すのが「気賀流」の掛け方です。

夜間:セイゴ・キビレ「街灯の下での駆け引き」
夜になると、岸沿いの街灯に誘われて「セイゴ(マダカ)」や「キビレ」がシャローへ差してきます。
- 電気ウキ釣り :青イソメの一本掛けで、ゆっくりと仕掛けを漂わせます。水面に引き込まれる赤い光の余韻は、夜釣り最大の醍醐味です。
- ルアーゲーム :3〜5gのジグヘッドにピンテールワームをセット。表層をスローにリトリーブすると、セイゴの鋭いバイトが伝わります。
夏:チヌトップゲーム「静寂を切り裂く水しぶき」
湖面が鏡のように凪(なぎ)になる朝マズメは、「チヌトップ」の黄金タイム。
- タクティクス :他人の足音やキャスト音に非常に敏感なエリアです。静かにアプローチし、小型のポッパーで「チャプッ」と優しいポップ音を立てた後、長めのポーズを入れると、下からキビレが突き上げてきます。
安全・注意事項:命を守る「すり足」と格式高いマナー
プリンス岬は素晴らしい場所ですが、アングラーに課せられた義務も重いです。
- アカエイへの警戒(最優先):砂泥底の浅瀬は アカエイ の宝庫です。原則としてウェーディング(立ち込み)は推奨しませんが、どうしても水に入る場合は、絶対に足を地面から離さない 「すり足(シャッフル歩行)」 を徹底してください。不用意な一歩が、猛毒のトゲによる大事故を招きます。 エイガードの着用は必須です。
- 沈み込む泥地への注意 :一部、足が15cm以上ズブズブと沈み込む非常に柔らかい泥地があります。足を取られて倒れると非常に危険ですので、必ず足元の硬さを確認しながら移動してください。
- 路上駐車の厳禁 :このポイントは地域の皆様の生活圏内です。路上駐車は即座に通報・トラブルの原因となり、 「ポイントそのものの閉鎖」を引き起こします。
- ゴミの完全回収 :歴史的な景勝地としての品位を損なわないよう、一切のゴミを残さない「完全撤退」を心がけましょう。
プリンス岬周辺は台数が限られた駐車スペースしかありません。満車の場合は路上駐車せず、潔く場所を移動してください。地元の方々への敬意が釣り場を守ります。
まとめ:優雅に、そして真剣に。奥浜名湖の深淵を釣る
気賀・プリンス岬は、ハゼ・キビレ・クロダイ・セイゴ・テナガエビなど多彩なターゲットが狙える、奥浜名湖最奥の静水域ポイントです。
- 夏〜秋(9〜11月)の落ちハゼシーズンがのべ竿ウキ釣りのベストタイム
- 立ちウキ+赤イソメの「気賀流」でアタリを明確に見極める
- ハゼは遠投よりも足元から5〜10m付近を丁寧に探る方が釣果が伸びる
- 夏の朝マズメ凪日はチヌトップのチャンス、静かなアプローチが不可欠
- 夜は電気ウキでセイゴ・キビレを狙う、青イソメ一本掛けが効果的
- ウェーディング時は「すり足」徹底、エイガード着用必須
- 駐車スペース極少のため、満車時は路上駐車せず潔く移動する
ただ魚を獲るだけではない特別な体験が、プリンス岬にはあります。鏡の湖面がもたらす時空が歪んだような静寂、歴史の重みを感じながら過ごす上質な休日。ファミリーから中級者まで楽しめる懐の深さが魅力ですが、アカエイと泥地には十分な注意が必要です。ルールを守り、地元の皆様へのリスペクトを忘れずに。
Important
気賀・プリンス岬は地元住民の生活圏です。路上駐車・深夜の騒音・ゴミの放置は絶対に禁止です。歴史ある景勝地を次世代へ引き継ぐため、最高のマナーで楽しみましょう。

