「この記事に辿り着いたということは、あなたは相当な浜名湖ジャンキーか、本気で釣果を伸ばしたい経験者のはずです。」
通常のポイントガイドでは「初心者にもおすすめ」と書かれる「今切口周辺(舞阪堤・新居弁天・網干場)」ですが、ここでは一切の手加減を抜きにして、「釣るための核心」だけをウザいほど詳しく解説します。
今時、Googleマップを見れば「どこが釣り場か」なんて隠しようがありません。しかし、「その岸壁のどのピンに立ち、どのアングルで、どの岩を狙うか」——釣り人が本当に隠したがるのは、このミクロな点(ピン)の集合体です。
私は、地元のベテランが口を閉ざす「あの沈み根」「あの掘れ」を、地図上のピンと同じ精度で白日の下に晒します。
ターゲット別・釣果月別グラフ(期待度)
クロダイ(網干場・舞阪) の釣果傾向
月別の期待度(1月〜12月)
アジ(新居弁天・網干場) の釣果傾向
月別の期待度(1月〜12月)
カワハギ(舞阪堤・新居弁天) の釣果傾向
月別の期待度(1月〜12月)
地形のクセを読み解く:誰も書かない「海底の真実」
今切口周辺は、激流によって絶えず地形が変化し続ける動的なエリアです。ここでは3つの主要ポイントごとに、その「水中構造」を深掘りします。
リーク:今切口周辺の「極秘マイクロピン」
以下のマップに打たれたピンは、駐車場ではなく「仕掛けを落とすべき海底の急所」です。
舞阪堤:激流の「テトラ末端30m」を狙い撃つ
舞阪堤の全体ではなく、先端から30m手前の「基礎石の角(コーナー)」が真の心臓部です。
- ミクロの海底構造 :このコーナー部分だけ、潮流が垂直にぶつかり、海底に直径3mほどの「反転流による深い穴」が空いています。大物は潮流に逆らわず、この「穴」の中で体力を温存しています。
- ピン攻略 :まっすぐ投げるのは素人。堤防の角に対して、潮流の斜め45度上流に落とし、仕掛けを「穴の入り口」に滑り込ませる感覚。
- 隠された真実 :多くの人が先端を目指しますが、実は「階段下の排水口付近」のボトムだけに、特定の季節にだけ湧く「エビの溜まり場」があります。
新居弁天海釣公園:「第3T字堤防」北西角の掘れ
5つのT字型堤防のうち、最も「地形の恩恵」を受けているのは第3堤防です。
- ミクロの海底構造 :公園全体の地形は人工的ですが、第3堤防の北西角だけは、かつての護岸工事で残された「土嚢の残骸」が複雑に入り組んでおり、そこだけ異様に魚のストック量が多い。
- ピン攻略 :堤防の先端から「北西方向へ20m、11時の方向」へキャスト。そこにある水深の変化点(カケ上がり)の斜面を、ズル引きで舐めるように探ります。
- 隠された真実 :満潮時、堤防の根元付近の「特定の柱の裏」にだけ、下げ潮の潮流が当たらない「サンクチュアリ」が発生します。
網干場:フェンスから「右15m、沖12m」の貝殻島
網干場の広大な岸壁で、最も「クロダイのコンタクト」が多いのは、南側のフェンス付近ではありません。
- ミクロの海底構造 :護岸からおよそ12m沖。そこには周辺の砂地より30cmだけ盛り上がった「カキ殻の島(パッチ)」があります。このわずか30cmの高低差が、魚にとっては「山」であり、絶好の待ち伏せスポットになります。
- ピン攻略 :フェンス際から右に15m移動した地点から、正面にフルキャスト。カキ殻にリグが触れた「カツッ」という感触を待ってください。そこから1mが勝負のラン。
- 隠された真実 :毎年5月、このピンポイントのパッチ付近にだけ、特定のベイトフィッシュが溜まる「潮の通り道」が定点的に発生します。
網干場の岸から約15m付近にある「カキ殻の盛り上がり」は、ルアーマンにとっては根掛かりの多い場所ですが、クロダイにとっては最高の餌場です。ここをタイトに攻められるかが勝負を分けます。網干場の北側は不規則に廃棄された「古い網」が沈んでおり、ルアーの回収率は極めて低いです。
潮回り・タイミングの黄金律:時合の「15分」を逃さない
「今切口は潮が速すぎて釣りができない」と嘆く人は、タイミングの読みが甘いだけです。
タイドグラフの「嘘」を見抜く:今切口独自のタイムラグ
浜名湖の潮位は、太平洋の潮位変化が今切口という狭い水路を通じて伝播するため、標準的なタイドグラフ(舞阪港換算)から1時間〜2時間ほど実際の動きが遅れます。これを知らずに「潮止まり」の1時間前に現場に入っても、実際には激流のピークに立ち会うことになり、釣りになりません。
- 上げ潮の真実 :外海の新鮮な海水が流入し始めるのは、グラフ上の上げ始めから約60分後です。この「流入の第一波」に乗って、アジやシーバスが列をなして湖内へ入ってきます。
- 下げ潮の地獄 :下げ潮時は、湖内の全水量が今切口に殺到します。大潮時のピーク時には時速10km以上の流れが発生し、20号のオモリでも底が取れず「浮き上がる」現象が起きます。
- 月齢との相性 :中潮の3日目〜大潮が最も魚の活性が上がりますが、攻略難易度は最大。逆に小潮は流れが緩やかで初心者には扱いやすいものの、プランクトンの溜まりが悪く、爆発力に欠けます。
黄金の15分:カレント・ストップ
魚が「食い」に走るのは、潮流が切り替わる「止まり」の直前と、動き出す直後のわずか15分〜20分です。このわずかなウィンドウに向けて仕掛けを投入し、タナを完璧に合わせられるかが勝負の分かれ目です。
Important
「流れの先に仕掛けを置く」 。潮流に逆らってキャストしても、仕掛けはすぐに橋脚の基礎石(根掛かり地帯)に吸い込まれます。必ず「流れに乗せて、狙いたいピンに仕掛けを流し込む」というドリフトの思考が必要です。
ターゲット別・攻略タクティクスと推奨タックル
激流制覇アジ・サビキ攻略
今切口の回遊アジは、外来性の「マアジ(キアジ)」です。体色が黄金色に輝き、脂の乗りが凄まじいのが特徴です。
- 戦略の詳細 :基本は「ベタ底」狙いです。流れが速すぎる時はサビキ仕掛けが横たわってしまいます。これを防ぐために、ハリスの短い(5cm以下)剛性のサビキを選び、オモリは15号〜20号を標準とします。
- カゴの使い分け :金属製の重いカゴを使用し、コマセの放出量を絞ること。激流で一気にコマセを出すと、魚が仕掛けの遥か下流に誘導されてしまいます。

ハヤブサ かんたん飛ばしサビキセット 4本鈎
誰でも簡単にウキ釣りサビキが楽しめるセット。浜名湖の堤防からのアジ・サバ・イワシ狙いに最適です。ウキ、カゴ、仕掛けが全てセットになっているので、道糸に結ぶだけですぐに始められます。
暗闇の刺客・クロダイ・ボトムゲーム
網干場から舞阪堤にかけてのナイトゲーム、あるいは雨後の濁りが入った「クロダイ日和」の必勝パターンです。
- 戦略の詳細 :使うのは「チニング用ズル引きリグ(フリーリグ推奨)」。オモリは7g〜10gを使い分け、カキ殻の隙間に「わざと落としてから、跳ね上げる」というアクションが有効です。クロダイはカキ殻にぶつかって跳ね上がった獲物を、リアクションで食ってきます。
- ラインの選択 :このエリアでは「フロロカーボン」の太いもの(16lb以上)を選びます。カキ殻への耐摩耗性が勝敗を決めます。

ダイワ(DAIWA) 23レガリス LT2000S-P
低ギア比(パワーギア)モデル。アジングやメバリングなど、デッドスローでのリトリーブが主体となる釣りに最適です。XH(ハイギア)に比べて巻きが軽く、繊細なアクションが可能です。
テクニカル・カワハギ攻略(新居弁天・舞阪)
秋の今切口名物。25cmを超える「肝パン」の良型が揃うのが特徴です。
- 戦略の詳細 :基本は「叩き・弛ませ」のコンビネーションです。激流の中では通常よりも重い30号程度の吸込型シンカーを使用し、底を起点にわずかに仕掛けを浮かせてアタリを待ちます。
- フックの管理 :3匹釣ったら、あるいは15分経過したら針を交換する「超積極的ローテーション」が、空振りを減らす唯一の道です。

エキスパートが守るべき「聖域」のルール
- ライフジャケットは命綱 :激流に落ちれば、自力での生還はまず不可能です。
- 漁船優先 :ここは漁師さんの職場です。作業船の進路に入らないよう、常に周囲を確認してください。
- 先行者への配慮 :人気ポイントゆえの距離感。挨拶一つでトラブルは防げます。
次のステップ:さらなる高みへ
このエリアの基礎知識(駐車場情報や売店情報など)を確認したい方は、各ポイントのピラーページを参照してください。



まとめ:今切口の「核心」を知った者だけが釣る
今切口エリアは「ポイントを知っているか」ではなく、「海底の急所と潮のタイミングを知っているか」が全てです。
- 舞阪堤は先端より「基礎石コーナーの30m手前」。反転流の穴が大物の住処
- 新居弁天は第3堤防の北西角。土嚢の残骸がマンションポイント
- 網干場はフェンスから右15m・沖12m。カキ殻の盛り上がりを外さない
- 潮位ラグを計算する。舞阪のタイドグラフから1〜2時間遅れが実際の動き
- 黄金の15分は「潮が止まる直前と動き出す直後」。この時間帯に全集中する
- 大潮の激流より中潮が釣りやすい。小潮は難易度が低いが爆発力に欠ける
浜名湖の魚を愛するからこそ、ゴミの持ち帰り、マナーの遵守を徹底してください。
Important
今切口は全国屈指の危険ポイントです。ライフジャケット着用は絶対条件です。テトラ上での釣りはスパイクシューズ必須。単独での夜間釣行は避けてください。釣り場のゴミは必ず持ち帰り、釣り場を守る行動をお願いします。