メジナ(グレ)が好むのは、「潮の流れ」と「身を潜める岩礁」が揃った場所です。
純粋な磯魚であるメジナは、岩礁・テトラ・消波ブロックを住処とし、潮が当たる面でフジツボ・カキ・海藻を食べています。
浜名湖でメジナが多く生息するのは、外海から激しい潮が入り込む今切口周辺の消波ブロック帯と、護岸の石積みエリアに限られます。
私(さしし)がメジナのフカセ釣りに挑戦し始めたのは、今切口のテトラで40cmオーバーが釣れているという話を聞いてからです。
しかし初めてここに立ったとき、その激流の凄まじさに「これが浜名湖か…」と圧倒されました。コマセが流れる速さ、仕掛けが飛んでいく速さ——全てが想定を超えていました。
しかし、その難しさを乗り越えた先にある「大グレ」との出会いが、メジナ釣りの最大の魅力です。
メジナが集まる「場所の条件」
条件1:岩礁・テトラ・消波ブロックの存在
メジナは岩礁帯・テトラの隙間・消波ブロックの際を生活圏にしています。
砂底には生息せず、必ず何らかの岩礁系構造物が必要です。
岩の表面に付くフジツボ・カキ・海藻を食べているため、これらが豊富に付いた構造物のある場所が好ポイントです。
条件2:適度な潮流
メジナは溶存酸素が豊富な、潮が活発に流れるエリアを好みます。
浜名湖では今切口から外海の潮が入ってくるエリアが最も条件が良く、この潮流に乗ってコマセを効かせるのがフカセ釣りの基本です。
条件3:水温18〜25℃
メジナは水温18〜25℃を好み、夏場は深場に落ちて活性が落ちます。
冬の水温低下とともに「寒グレ」モードに入り、12〜2月が最高の食いをみせます。
この時期の寒グレは脂が乗って最高に美味しく、浜名湖フカセ釣りの最大のハイシーズンです。
浜名湖メジナ実績ポイント
ポイント1. 今切口・導流堤(どうりゅうてい)周辺
浜名湖メジナの「聖地」であり、最高難易度のエリアです。
なぜ釣れるのか: 外海と浜名湖の水が交換される今切口は、年間を通して激流が流れます。消波ブロック(テトラ)の隙間には大型メジナが常駐しており、フジツボ・カキ・イソエビを旺盛に捕食しています。
攻め方: コマセ(オキアミ+パン粉)を流れに乗せながら撒き、流れが絞られる「ヨレ」の場所に仕掛けを入れます。潮の流れる方向を確認してコマセと仕掛けを同調させることが最大のポイントです。
最大の難関: 激流のため、重めのウキ(G2〜B号)と3〜4号ハリスが必要です。仕掛けが底を取れるよう、ガン玉の調整を細かく行います。
期待できるサイズ: 30〜45cmの良型が出るトップポイントです。特に1〜2月の寒グレシーズンは大型が集中します。
安全注意: テトラ足場が非常に不安定です。フローティングベスト(ライフジャケット)とスパイクシューズは必須装備です。単独釣行は避け、波の状況を常に確認してください。
ポイント2. 新居海釣公園(あらいべんてん)
初心者から上級者まで楽しめる、浜名湖一のメジャーポイントです。

なぜ釣れるのか: T字堤防の周囲の石積み・テトラにメジナが居着いています。今切口からの潮が程よく流れてきて、コマセが効きやすい良環境です。
攻め方: T字堤防の先端から石積みに向かってコマセを打ち、仕掛けを流します。堤防から見て下流側(潮が流れていく方向)に仕掛けが流れると自然な誘いになります。
特徴: 20〜25cmの中型メジナが安定して釣れ、フカセ釣りの練習場として最適です。「木っ端グレ」と呼ばれる小型(15〜20cm)は非常に数が多く、タナ・コマセワークの練習に最高の環境です。
シーズン: 秋〜春(10月〜4月)が最盛期。夏は水温が高くなりすぎて活性が落ちます。
ポイント3. 舞阪・網干場(あみほしば)周辺
岸壁沿いを回遊するメジナを狙えるポイントです。

なぜ釣れるのか: 護岸の石積みに付着したカキ・フジツボを食べるメジナが岸壁沿いを回遊します。潮の流れが読みやすく、コマセを効かせる場所がイメージしやすいため、フカセ釣りの入門に最適です。
攻め方: 壁際に沿ってコマセを撒き、流れに合わせて仕掛けを流します。壁から1m以内を狙う「壁際フカセ」が有効で、足元近くに大型が浮いてくることもあります。
特徴: クロダイ・キビレが混じる確率も高く、グレを狙いながらも大型クロダイが釣れる可能性があります。一石二鳥のポイントです。
ポイント4. 今切口・新居側石積み
今切口の新居側(東側)にある石積みは、導流堤より足場が安定しているため比較的安全にメジナが狙えます。
なぜ釣れるのか: 今切口の潮流が石積みに当たって複雑に流れるため、プランクトンやベイトが集まります。石積みの隙間に大型メジナが潜んでいます。
攻め方: 石積みの際にコマセを打ち、仕掛けを石際に沿わせるように流します。石の切れ目(隙間)にエサが入るよう誘うのが効果的です。
シーズン: 秋〜冬(10月〜2月)が特に実績が高く、40cm近い大型が出ることがあります。
メジナが見つかる「地形」のキーワード
「ヨレ」と「払い出し」
潮が構造物に当たって跳ね返り、複雑な流れが生まれている場所です。
そこにコマセが溜まり、メジナが集まります。「ヨレ」を見つけてコマセを的確に打ち込めるかどうかが、フカセ釣りの釣果の8割を決めます。
「テトラの際(きわ)」
メジナは危険を感じるとすぐにテトラの隙間に逃げ込みます。
テトラから1m以内を攻めるための長めの竿(5.3〜6m)が有利です。
テトラの際に沿わせてコマセを打ち、仕掛けをテトラ際ギリギリを流すことで大型が反応します。
「ハエ根(はえね)」
海中に突き出した岩の棚(水平方向に広がる岩)です。
その下側の影に大型のメジナが潜んでいることが多く、ハエ根の下をエサが通るように仕掛けを操作します。
フカセ釣り入門者へのアドバイス
メジナのフカセ釣りは「難しい釣り」という印象がありますが、基本を押さえれば初心者でも十分楽しめます。
まずは新居海釣公園の足場が良い堤防からスタートし、コマセの撒き方・仕掛けの流し方の基本を身につけましょう。
コマセと仕掛けを同調させる——この一点だけを意識するだけで、釣果が劇的に変わります。
まとめ:安全第一で「一匹」を目指す
メジナの好ポイントは、難しい環境であることが多いです。
特に今切口周辺は技術と安全装備が必要なポイントですが、そこで釣り上げた大グレとの引きの強さは、忘れられない体験になります。
まずは安全な場所から始め、経験を積んでから難所に挑戦するのが賢明です。
Caution
「無理は禁物!」安全への絶対の配慮 波が高い日や風が強い日のテトラ帯は非常に危険です。 特に今切口周辺は急に高い波が来ることがあるため、天候が少しでも不安定な場合は、より安全な海釣公園などへポイントを変更しましょう。 ライフジャケット・スパイクシューズは「あれば良い」ではなく「必ず着用する」ものです。 命を守ることが、次の釣りにつながります。
