私(さしし)が「花見カレイ」という言葉を知ったのは、4月初旬の新居海釣り公園での釣行でした。
近くのベテランの方が「もうすぐカレイは帰っちゃうから、今が最後のチャンスだよ」と教えてくれながら、ドラグをジリジリ鳴らす大きなアタリを出していました。
私も慌てて竿を出し、青イソメを房掛けにした仕掛けをミオ筋に向けて投げました。
30分ほど待った後、竿先がゆっくりと引き込まれ——上がってきたのは33cmのマコガレイでした。
「これが戻りガレイの荒食いか」と、春の暖かい風の中で感動したのを今でも覚えています。
冬の投げ釣りの主役であるカレイですが、実は3月下旬から4月にかけての「花見カレイ(戻りガレイ)」が非常に面白いシーズンです。
産卵を終えて体力を回復し、積極的にエサを追うこの時期のカレイは、冬場よりもむしろ狙いやすいターゲットとなります。
浜名湖の桜が満開になる頃、最後の大判カレイを求めて竿を出すコツを伝授します。
3月〜4月のカレイが「荒食い」する理由
カレイ(マコガレイ・イシガレイ)は冬(12月〜2月)に浜名湖の深場・瀬戸水道付近で産卵を行います。
産卵を終えたカレイは体力を著しく消耗しており、この「消耗した体力を取り戻す」ために春先から活発なエサの捕食を行います。
これが「花見カレイの荒食い」の正体です。
この時期のカレイが活発にエサを食べるのは、産卵で失った体力を取り戻し、再び深場(外洋)へ帰るための準備期間だからです。
冬場はアタリが小さく食い込みが悪いことも多いですが、春は「バクッ」とエサを飲み込むような明確なアタリが出ることが特徴です。
ベイトもアミエビや多毛類(イソメ・ゴカイ)だけでなく、動き始めた小魚なども意識され始めます。
4月第1週頃に水温が15℃を超えると、カレイは一気に外洋(遠州灘)へ帰るため、このタイムリミットを意識した釣行計画が重要です。花見カレイのタックル選び
花見カレイはミオ筋の深場を狙うため、遠投性能が高いタックルが必要です。
ロッド:投げ竿4.05〜4.5mの25〜30号クラスが標準です。
遠投竿はオモリが重いほど飛距離が出るため、25〜30号のオモリを正確に100m前後投げ込める竿を選びましょう。
リール:投げ専用の大型スピニングリール(シマノなら3000〜4000番)が理想です。
糸はナイロン4〜5号またはPEライン1〜1.5号にリーダー6〜8号を組み合わせるとトラブルが少ないです。
仕掛け:カレイ専用の2本針仕掛け(ハリス0.8〜1.5号、針は袖6〜8号か流線8〜10号)が基本です。
投入後は竿立てに置いて30分以上じっくり待つスタイルが花見カレイには有効で、置き竿にした時に竿先が見やすい「穂先ライト(ケミホタル)」をつけると暗い時間帯でもアタリがわかります。
【どこで】戻りルートの「ミオ筋」を叩け
浜名湖の花見カレイを狙うなら、魚が外洋へ出ていく「帰り道」であるメインの潮通しが良い場所が鉄則です。
カレイは平べったい体で砂底に張り付くように移動するため、深みの砂地(カケ上がり付近)が最も集まりやすい場所です。
表浜名湖:新居海釣り公園・砂揚げ場
激流の今切口へと続く巨大な「ミオ筋(船の通り道)」が目前にある、カレイの通り道です。
春の大潮前後に外洋へ向かうカレイが一気に集まるため、シーズン中でも最もアタリが多い日が生まれます。

南部:1番〜3番ミオ周辺の深場
水深があり、かつ潮流の変化があるカケ上がりにカレイは足を止めます。
ここではカケ上がりの斜面と底の平坦部の境目を仕掛けが通るように投入することが、釣果を安定させるコツです。

【どうやって】春のカレイ攻略仕掛け 2選
春はアピール力を高め、かつ確実に口を使わせる工夫が必要です。
1. 「房掛け」で視覚的アピール
青イソメを3匹以上房状に掛けて、大きく動かしてアピールします。
春のカレイは視覚と匂い両方でエサを探すため、ボリューム感のある「大きなエサ」が有効です。
エサをたっぷり房掛けにして匂いと動きで誘う「攻め仕掛け」が、花見カレイには最も効果的です。
2. 投げ竿:安定した遠投が必須
潮流の速いミオ筋を狙うため、25号〜30号のオモリを正確に投げ込めるタックルが必要です。
竿のしなりを利用したフルキャストで、100m前後先のミオ筋の砂底にエサを届けることが「花見カレイ直撃」の基本です。
時間帯と潮:花見カレイを釣るベストタイミング
花見カレイの釣行を成功させるためには「潮の動く時間帯」を中心に計画を立てることが重要です。
大潮〜中潮の上げ潮時:潮が動き出すと砂底のゴカイやアオイソメが動き始め、カレイの捕食スイッチが入ります。
満潮の2時間前から下げ始めの1時間が最も活性が高い「時合」になることが多いです。
朝マズメ(夜明け前後):4月の日中は釣り人のプレッシャーが増しますが、早朝は人が少なく、カレイも警戒心が薄れます。
特に朝5〜8時台が花見カレイの実績が高い時間帯です。
花見カレイシーズンの期間の短さ:3月下旬〜4月第1週の約2〜3週間だけです。
水温が15℃を超えるとカレイは急速に外洋へ帰るため、天気予報と潮汐表を毎日確認しながら「チャンスの日」を逃さないことが大切です。
まとめ:桜吹雪の下でのんびりと大物を待つ
花見カレイの魅力は、春のポカポカ陽気の中でゆったりと竿を出し、不意に訪れる「ドラグを鳴らす強烈なアタリ」を待つことにあります。
カレイは日本の春の味覚としても最高峰の魚です。
シーズン最後の駆け込み需要を逃さず、浜名湖の砂地に潜む春の女王に出会ってください。
Tip
花見カレイは「2本竿」で効率アップ! 場所にゆとりがあれば、竿を2本以上出して異なるポイントに仕掛けを投入しましょう。 1本を遠投(80〜100m)、もう1本をミオ筋の手前側(50〜60m)に投入することで、カレイのいるレンジを効率よく探れます。 どちらかにアタリが出たら、次の投入は両方ともそのポイントを狙うのが戻りガレイを連続ヒットさせるコツです。
マナーについて:花見カレイの時期は堤防に多くの釣り人が集まります。仕掛けの投入方向は必ず周囲と合わせ、オマツリ(ラインが絡む)を防ぎましょう。また、カレイは鮮度劣化が速いため、釣れたら即クーラーボックスへ。リリースする場合は優しく水中に戻してください。ゴミは必ず持ち帰り、翌年もこの素晴らしいシーズンを楽しめる環境を守りましょう。
