私(さしし)が浜名湖のサヨリ釣りの凄まじさを実感したのは、4月下旬の新居弁天海釣公園でのことでした。
T字堤防でコマセを撒き始めて15分ほどすると、水面が突然ざわつき始め、30cmを超える細長い銀色の魚体が無数に躍り出てきました。
シモリウキがスーッと横に走るのを確認して竿を立てると、想像以上の引きが返ってきました。
「サヨリってこんなに引くのか!」と思わず声が出るほどで、その後2時間で30匹以上を釣り上げました。
持ち帰ったサヨリを三枚おろしにして刺身にすると、透き通った白身の甘みと上品さに感動しました。
春の訪れとともに、4月の浜名湖には「サンマ級」とも称される30cm超えの大型サヨリが接岸します。
この時期のサヨリは産卵を控えて脂が乗っており、引きの強さも食味も格別です。
浜名湖特有の伝統的な釣り方である「浦掛け(うらがけ)釣り」をマスターして、爆釣を狙いましょう。
サヨリの生態:水面直下を泳ぐ表層回遊魚
サヨリ(サヨリ科サヨリ属)は、下顎が長く伸びた独特の体型を持つ回遊魚です。
浜名湖の沖合や太平洋を回遊しており、産卵のために春に岸沿いの浅場へと接岸してきます。
表層特化の体型:サヨリの長い下顎は水面直下の餌を効率よく捕食するための進化の産物です。
常に水面から数センチの深さを泳ぎ、植物プランクトン・小型甲殻類・稚魚などを主に捕食します。
高い警戒心:サヨリは視覚が鋭く、仕掛けや釣り人の影を察知するとすぐに群れが散ります。
群れが来たときは身をかがめ、静かに釣り続けることが重要です。
群れでの行動:サヨリは必ず群れで行動します。
1匹釣れたポイントには必ず他の個体もいるため、同じ場所を繰り返し探ることで数釣りが成立します。
なぜ4月に大型サヨリが接岸するのか
産卵を控えたサヨリの群れは、潮に乗って太平洋から今切口を通じて湖内へと一気に入ってきます。
適水温となる12℃から16℃前後になると、潮通しの良いエリアに群れが留まるようになります。
特に表浜名湖から中浜名湖にかけてのエリアが、この時期の主要な戦場となります。
産卵前の大型個体:4月は産卵前の体高のある大型個体が接岸する最初のタイミングです。
35cmを超える「大型サヨリ」の割合が最も高い時期で、年間で最もサイズに期待できます。
水温と回遊タイミング:水温が12℃を超えた最初の大潮前後に、外洋から一気に大きな群れが入ってきます。
3月下旬〜4月上旬の最初の大潮の後、群れが入り始めるパターンが多く、釣行前日の天気予報と潮汐表を確認するだけで釣果が大きく変わります。
【厳選】4月のサヨリ攻略ポイント5選
サヨリは回遊魚なので、潮通しが良く群れが溜まりやすい場所を選ぶのが鉄則です。
① 新居弁天海釣公園:足場が良く、最も手軽にサヨリを狙える聖地です。
T字堤防の先端〜中間部分が特によく、コマセを撒くと群れが目視できるほど寄ってきます。

② 砂揚げ場(新居):車を横付けできるポイントが多く、ファミリーに最適です。
広い護岸エリアでゆったりと釣れるため、子ども連れでも安心して楽しめます。
③ 弁天島海浜公園:広いエリアで、群れの移動を追いかけやすいポイントです。
表浜名湖の中でも比較的潮通しが良く、群れが抜けたと思ったらすぐに回ってくることがあります。
④ 乙女園周辺:潮の流れが穏やかなタイミングで群れが入りやすい場所です。
静かな環境で釣りができるため、プレッシャーが低くサヨリの警戒心も下がりやすいポイントです。
⑤ 舞阪港周辺:潮通しが抜群で、大型の回遊が期待できます。
今切口に近く、外洋から入ってきた群れが最初に立ち寄りやすいポイントのため、シーズン初期に特に有効です。
浜名湖伝統の「浦掛け釣り」完全ガイド
浦掛け釣りとは、専用のシモリウキ仕掛けを使い、表層を漂わせてサヨリを誘う浜名湖の伝統釣法です。
工房浦安 スーパーサヨリン2EX 夜光 M 黄プロペラ
浦安釣法の核心。抜群の遠投性能と安定した飛行姿勢で、はるか沖の潮目を回遊する大型サヨリを直撃。黄色のプロペラが誘い効果を高めます。
一般的なサヨリ釣りと異なり、非常に繊細な仕掛けで警戒心の強い大型個体を狙い撃ちします。
専用の小針と細いハリスを使用し、サヨリが違和感なくエサを飲み込めるように工夫するのがコツです。
オーナー(OWNER) 釣り日和 速攻サヨリ仕掛 3-0.8-2
コマセカゴが無いウキとシモリのみのタイプ。シモリウキで高感度、繊細なアタリを視覚化できます。浦安釣法の先糸システムにも有用。
シモリウキの役割:シモリウキは複数個を連続させることで、表層でのアタリを大きく検知します。
水面直下を泳ぐサヨリが針に触れた瞬間、ウキが横走りするため「スーッ」という明確なアタリが取れます。
ハリスの長さと太さ:ハリスは1m〜1.5mと長めに取り、0.8〜1号のフロロカーボンを使います。
細いハリスはサヨリに違和感を与えにくく、特に警戒心の高い大型サヨリへの食いが格段に良くなります。
針のサイズ:サヨリ専用の極小針(サヨリ針1〜3号)を使います。
口が小さく繊細な食い方をするサヨリに合わせた専用設計のため、市販の汎用針より大幅にフッキング率が上がります。
マルフジ(Marufuji) P-084 サヨリトリック 4号
毛鉤(バケ)を使用しているため、遠投してもエサが落ちる心配がありません。初心者でも手軽にサヨリを狙えます。
サヨリを寄せる!コマセとエサの極意
サヨリ釣りにおいて最も重要なのは、群れを自分の前に足止めし続けるための「集魚」です。
コマセの配合:アミエビをベースに、表層を白く濁らせる「サヨリ専用粉末」を混ぜるのがコツです。
コマセの白い粒子が水面近くに漂うことで、サヨリが「ここにエサがある」と判断して群れごと近づいてきます。
付けエサ:鮮度の良いアミエビ、または「ハンペン」を小さく切ったものが浜名湖流です。
ハンペンは潮に流されても崩れにくく、サヨリが違和感なく吸い込める柔らかさが特徴です。
コマセを絶やさない:一度群れが回ってきたら、手を休めずに少量のコマセを撒き続けることで長時間の時合を維持することが可能です。
コマセを止めると群れが離れるため、合わせて取り込んでいる間も、同行者が撒き続けるか、タイミングを計りながら自分でも撒くようにしましょう。
コマセを遠投しない:サヨリを足元に集めることが数釣りのカギです。
コマセを遠くに投げると群れが遠のくため、自分の真下か1〜2m先に少量ずつ撒くのが正解です。
表層を制する者がサヨリを制す
サヨリは常に水面直下を意識しているため、仕掛けを沈めすぎないことが重要です。
ウキ下(タナ)の目安は20〜30cmで、エサが水面から見えるか見えないかの深さを維持します。
合わせのタイミング:合わせは一呼吸置いて、ウキがしっかりと横に走るのを確認してから優しく竿を立てましょう。
早合わせするとハリが口の外にかかる「スッポ抜け」が起きやすいため、ウキが走ったらゆっくりと竿を立てるだけで十分です。
引きを楽しむ:30cm超のサヨリは掛かった直後に水面を「バシャバシャ」と跳ね回ります。
軽いタックルで挑んでいるため、まさに全身で受けるスリルがあります。
ドラグを少し緩めに設定し、無理に引き抜かず竿のしなりで対応するのがバラし防止のコツです。
手返しの速さ:手返し良く釣ることで、家族も驚くような「サンマ級」の数釣りを楽しんでください。
1匹取り込んだら素早くエサをつけ直してコマセを撒く、このリズムが爆釣の秘訣です。
まとめ:4月の週末はサヨリの準備を
浦掛け釣りをマスターすれば、浜名湖のサヨリ釣りはさらに楽しくなります。
透き通った身が美味しい春のサヨリを狙って、ぜひ浜名湖へ出かけてみてください。
Tip
「群れが入ったらコマセを止めるな!」 サヨリの群れが見え始めたら、合わせている間も手元でコマセを少しずつ撒き続けましょう。 「コマセが切れると群れが消える、群れが消えたらコマセを撒く」の繰り返しではなく、「群れが来たら来ている間ずっとコマセを絶やさない」が4月の浜名湖サヨリ数釣りの最大の秘訣です。
マナーについて:サヨリが群れで回遊している時合は、隣の釣り人と仕掛けが絡みやすくなります。コマセは共有のポイントに撒くのではなく、自分の正面と真下を中心に撒き、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。釣り場のゴミ(コマセの袋・ハリス・仕掛けの切れ端)は必ず持ち帰ってください。

